全体制御データ
全体制御データ
全体制御データ概要
全体制御データは、FrontISTRに対する入出力ファイルのファイル名を定義するものである。
全体制御データファイルの特徴は以下のとおりである。
- 自由書式に基づくASCII形式のファイルである。
- "
!
"で始まるヘッダーとそれに続くデータから構成されている。 - ヘッダーの記述の順番は基本的に自由である。
- データの区切り記号には"
,
"を使用する。
入力規則
全体制御データファイルは、ヘッダー行、データ行、コメント行から構成される。
ヘッダー行には必ず一つのヘッダーが含まれる。
- ヘッダー
- 全体制御データファイル内で、データの意味とデータブロックを特定する。 行頭が "!" で始まる場合、ヘッダーであるとみなされる。
- ヘッダー行
- ヘッダーとそれに伴うパラメータを記述する。 ヘッダー行はヘッダーで始まっていなければならない。 パラメータが必要な場合は、"," を用いてその後に続けなければならない。 パラメータが値をとる場合は、パラメータの後に "=" が続き、その後に値を記述する。 ヘッダー行を複数行にわたって記述することはできない。
- データ行
- ヘッダー行の次の行から開始され、必要なデータを記述する。 データ行は複数行にわたる可能性があるが、それは各ヘッダーで定義されるデータ記述の規則により決定される。 データ行は必要ない場合もある。
- 区切り文字
- データの区切り文字にはカンマ "," を用いる。
- 空白の扱い
- 空白は無視される。
- 名前
- 名前に使用可能な文字は、アンダースコア ""、ハイフン "-"、英数字 "a-z A-Z 0-9" であるが、 最初の一文字は "" または英字 "a-z A-Z" で始まっていなければならない。 大文字小文字の区別はなく、内部的にはすべて大文字として扱われる。 また、名前の最大長は63文字である。
- ファイル名
- ファイル名に使用可能な文字は、アンダースコア "_"、ハイフン "-"、ピリオド "."、スラッシュ "/"、英数字 "a-z A-Z 0-9" である。 ファイル名は、特に記述がない限りパスを含んでもよい。相対パス、絶対パスのいずれも指定可能である。 また、ファイル名の最大長は1023文字である。
- 浮動小数点データ
- 指数はあってもなくてもよい。指数の前には、"E" または "e" の記号をつけなければならない。 "E" または "e" どちらを使用してもかまわない。"D" または "d" は使用不可。
- !!, # コメント行
- 行頭が"!!"または"#"で始まる行はコメント行とみなされ、無視される。コメント行はファイル中の任意の位置に挿入でき、その数に制限はない。
ヘッダー一覧
全体制御データは以下のヘッダーによって構成されている。
ヘッダー名 | 内容 |
---|---|
!CONTROL |
解析制御データ定義 |
!MESH |
メッシュデータ定義 |
!RESTART |
リスタートデータ定義 |
!RESULT |
解析結果データ定義 |
!SUBDIR |
サブディレクトリ分割指示 |
各ヘッダーには,パラメータとそれぞれのヘッダーに対応したデータの項目がある。 以下,上記各ヘッダーについてデータ作成例とともに説明する。
!CONTROL
解析制御データファイルを指定する。
!CONTROL, NAME=<name>
file
#使用例
!CONTROL, NAME=fstrCNT
myctrl.cnt
パラメータ | |
---|---|
NAME |
識別子(必須) |
パラメータ名 | パラメータ値 | 内 容 |
---|---|---|
NAME |
fstrCNT |
解析制御データ |
変数名 | 内容 |
---|---|
file | 解析制御データファイル名 相対パス、絶対パス共に指定可能。相対パスの場合はカレントディレクトリからのパスとなる。 |
!MESH
メッシュデータファイルを指定する。
!MESH, NAME=<name>, TYPE=<type> [,optional parameter]
fileheader
#使用例
!MESH, NAME=fstrMSH, TYPE=HECMW-DIST, REFINE=1
Mesh.in
パラメータ | |
---|---|
NAME |
識別子(必須) |
TYPE |
メッシュタイプ(必須) |
IO |
入出力指定(省略可) |
REFINE |
メッシュ細分化指定(任意) |
パラメータ名 | パラメータ値 | 内 容 |
---|---|---|
NAME |
fstrMSH |
Solver入力データ |
part_in |
Partitioner入力データ | |
part_out |
Partitioner出力データ | |
TYPE |
HECMW-DIST |
HEC-MW分散メッシュデータ |
HECMW-ENTIRE |
HEC-MW単一領域メッシュデータ | |
IO |
IN |
入力用(デフォルト) |
OUT |
出力用 | |
REFINE |
<integer> | メッシュ細分化回数 |
変数名 | 内容 |
---|---|
fileheader | メッシュデータファイル名のヘッダー 相対パス、絶対パス共に指定可能。相対パスの場合はカレントディレクトリからのパスとなる |
注意
IO
パラメータの有無、パラメータ値は動作に何も影響を与えない。
TYPE
がHECMW-DIST
の場合、データ行に指定するfileheaderはファイル名末尾の「.<rank>」を除いたものである。
!RESTRAT
リスタートデータファイルを指定する。
!RESTART, NAME=<name>, IO=<io>
fileheader
#使用例
!RESTART, NAME=restart-in, IO=IN
restart.in
パラメータ | 内容 |
---|---|
NAME |
識別子(必須) |
IO |
入出力指定(必須) |
パラメータ名 | パラメータ値 | 内容 |
---|---|---|
NAME |
<name> | ユーザー識別子 |
IO |
IN | 入力用 |
OUT | 出力用 | |
INOUT | 入出力兼用 |
変数名 | 内容 |
---|---|
fileheader | リスタートデータファイル名のヘッダー (相対パス、絶対パス共に指定可能。相対パスの場合はカレントディレクトリからのパスとなる) |
注意 この定義によって生成されるファイル名は、"fileheader+.<rank>" となる。
!RESULT
解析結果データファイルを指定する。
!RESULT, NAME=<name> [,optional parameter]
fileheader
#使用例
!RESULT, NAME=fstrRES, IO=OUT, TYPE=BINARY
result.out
パラメータ | 内容 |
---|---|
NAME |
識別子(必須) |
IO |
入出力指定(省略可) |
TYPE |
出力形式(省略可) |
パラメータ名 | パラメータ値 | 内容 |
---|---|---|
NAME |
fstrRES |
Solver出力データ、Visualizer入力データ |
fstrTEMP |
温度入力データ(熱伝導解析結果) | |
vis_out |
Visualizer出力データ | |
IO |
IN |
入力用 |
OUT |
出力用 | |
TYPE |
TEXT |
テキスト形式(デフォルト) |
BINARY |
バイナリー形式 |
変数名 | 内容 |
---|---|
fileheader | 解析結果データファイル名のヘッダー(相対パス、絶対パス共に指定可能。相対パスの場合はカレントディレクトリからのパスとなる) |
注意 この定義によって生成されるファイル名は、"fileheader+.<rank>" となる。
!SUBDIR
ファイル格納のサブディレクトリ分割を指定する。
!SUBDIR, ON [,optional parameter]
#使用例
!SUBDIR, ON, LIMIT=8000
パラメータ | 内容 |
---|---|
ON |
有効(必須) |
LIMIT |
ファイル数(省略可) |
パラメータ名 | パラメータ値 | 内容 |
---|---|---|
ON |
なし | |
LIMIT |
<integer> | 1ディレクトリあたり最大ファイル数(デフォルト: 5000) |
注意
この定義によって、複数ファイルで構成される入出力データは自動的にサブディレクトリ配下となる。
並列数がLIMITを超える場合、さらにTRUNK0
、TRUNK1
、・・・・のサブディレクトリ配下となる。